珍魚落雁

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help リーダーに追加 RSS かささぎの橋(七夕記念☆単発SS)

<<   作成日時 : 2008/07/07 07:57   >>

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「青は木〜♪、赤は火〜♪、黄は土〜♪、白は金〜♪、黒は水〜♪」

…ん?

 この声…。

「…もー!アンタね!そこまでこだわる必要がどこにあるの!たかが短冊…!」

「なにゆうの!モー子さん!!!」

「…お、おい!蓮!?」

 社さんを置き去りに 脚が勝手にそっちに向かっていた。

 ― こんこんこん ―

「…はい?」

「敦賀です。なんだか すごい声が聞こえたんだけど…。大丈夫?」

「きゃー!すみません!敦賀さん!!」

 ぱたたたたっという足音がして、即 LME部室のドアが開いた。

「い、今!明日の七夕祭りの準備…してて!!」

「準備?」

「短冊用意しようとしたら…キョーコったら 折り紙の色に文句つけて…。」

「だ、だって!七夕の短冊の色は 中国の五行を元にして 決まってるんだもの!!」

「ごぎょう…?」

「はい!木火土金水(もっかどごんすい)は、万物を構成する大事な要素で…」

「もー!!わかったから!!さっさと その5色の折り紙選んで短冊にしましょう!」

「…大変そうだね。手伝おうか?」

「そ、そんな!大先輩に恐れ多い!」

「ぜひ、お願いします!敦賀大先輩!」

「モ、モー子さん!?なんてこと!」

「(ここで断るほうが よほど後が怖いのよ!)それじゃ、私は 笹のほうを準備してきますので。」

「あ、あーっと じゃ、じゃあ 俺もそっち手伝うよ!琴南さん!!」

 俺と眼が合った社さんが あわてて琴南さんを追いかける。

「ええ!ぜひ!社さん、どうぞよろしく。」

「もちろんだとも!!こちらこそ!!」

 …さすが 敏腕マネージャー…。

俺の控えめな「お願い」視線 よく察してくれたものだ!

「モー子さんったらぁ…。すみません、お仕事でお疲れなのに…。」

「大勢でやったほうがすぐ終わるよ。一緒にがんばろう?」
 
  君のそばにいたほうが 疲れなんかふっとぶし…ね!

「は、はい。すみません!」

「で?俺は 何すればいいのかな?」

「あ。じゃ、このはさみで 折り紙を半分に切ってくださいますか?」

「お安い御用」

「楽しみですね!明日の七夕!」

「そうだね。彦星と織姫が年に1回のデートの日だ。晴れるといいけど…。」

 ごく単純な作業なので 会話を交わす余裕はある。

「雨でも大丈夫です!
天の川があふれて渡れなかったら、かささぎが飛んできて群れて橋になってくれるんですって!」


「へぇ…?そうなの…?」

 おかしいな。
 たしか マリアちゃんは 雨降ったら デートは、1年延期…って… 

「かささぎの渡せる橋に置く霜の白きを見れば夜ぞふけにける」

「は?」

「百人一首ですよ。平安時代の人は、ちゃんと知ってたんです。かささぎが橋になって渡らせてくれるって!」

「そ、そう…なんだ…。」

 だらだらだら
 背中にいやな汗をかいてしまった。

「そ、それより!」

 あまり この方面を つっこまれたくないので 必死に話題転換を試みる!

「明日のLME主催 七夕祭り…当然 来るよね?」

「もちろんです!裏方として お手伝いに こさせていただきます!」

「裏方?」

「ええ!せいいいっぱいおもてなしします。どうぞ、お楽しみくださいね!」

「ああ…楽しみにしてるから。」

  その瞬間…頭の中であれこれ計算していた。
  自分のなすべきことを…!

画像


「…わ、私 裏方として…参加。」

「七夕祭りを盛り上げることには 変わりないだろ?」

「で、でもですね!」

「俺が相手役じゃ…不満?」

「め、めっそうもございません!!た、ただ…」

「ただ…?」

「…あ…あまりに…恐れ多すぎて…(嫉妬の目線が 集中してて!)…」

「さあ!諸君 準備は よろしいかな!?」

 天帝…中国の昔の皇帝もどきなかっこうをして 古だぬき社長が高らかに叫ぶ。

「厳正なるくじびきによって決まった 彦星&織姫のペアで 社内宝探し大会…だ!」

 雲の形をした乗り物を支えるのは、20人くらいのお付きの皆さん。
 ご苦労なことだ…いつものことだが…!

「名づけて『数々の苦難を乗り越え 天の川を渡れ』大作戦!」

 おおおおおー!

 参加者の歓声と拍手。
 みな 彦星と織姫ルックだ。
 ひとつとして 衣装に 同じ色やデザインがないことに 感嘆する。

「あちこちに かささぎに扮した出題者が立っている。その人物の出した問題に答えられたら、
今、君たちの手元にあるクロスワードパズルが埋まっていく。」

 言われて さっき もらった 黒と白のますめが書かれてるカードを見る。

「ただし あくまで タテのヒント ヨコのヒントを出すだけだからな!答えは、自力で考えるんだぞ!」

 まあ…最上さんがいれば 楽勝だろう。
 彼女も余裕ある強気な表情だ。

「見事 完成したペアには 商品として…」

  どぅあらどぅあらどぅあら

  突如 ドラムロールが 響いてきた!

「これを プレゼントしよう!まず、第一弾!彦星にちなんで!」

 ばっと そばにある巨大スクリーンに トレビの泉の画にかぶせて文字が浮かぶ。

 おおおおおお〜?!

「イタリア旅行 5泊6日…ペアの宿泊券…?!」

「ちなみに ちゃんとスケジュールは調整してやる。」

「最上さん!」

「は、はい!?」

「がんばろう!なんとしても 賞品 ゲットするよ!」

「え?あ。あの…。(ど、どこが どう 彦星!?)」

「そして、第二弾!」

 どぅあらどぅあらどぅあら

「織姫に ちなんで…洋服仕立券!1年間 無尽蔵に使用可能!」

  おーー!?

「敦賀さん!」

「は、はい?」

「がんばりましょう!なんとしても、賞品ゲットしましょうね!!」

「あ、ああ…。」

「なお…。」

 ん?

「特別賞も用意した。」

  …特別賞?

「七夕というのは 本来は 収穫を祈る宮中行事…それにちなんで…」

 ぱんぱかぱーん ぱんぱっぱ ぱんぱっぱっぱぱーん

 …!?

 どっさりと山盛りの…野菜!?

「有機農法による野菜が 定期的に 君の家に届く!食料費 相当浮くぞ?」

 おー…?

  反応が微妙だ。

  まあ…たかが 野菜…。無理も…。

「…勝つ…。」

「…は?」

「なんとしても 手に入れます!この特別賞!!」

 めらめらめら
 なんとも 力強い意志の炎が燃えている!

「なお この特別賞を手に入れるのは…」

  ぐぐぐっと 彼女が身を乗り出す。

「最も ラブラブ度の高かったペア…だ。」

  ぴとっ

  !?

 瞬時に 彼女が俺の胸にすがりついてきた!?

「…も、もが…」

「ごめんなさい!敦賀さん!協力してください!今だけ…!」

「…え?え?」

「私!どーしても あの賞品ほしいんです!お願いですから!」

  ひしっと すがるような眼で俺を見上げる。

「…つ、つるが…さん…!?」

  さっとお姫様だっこした俺を 彼女がぼうぜんと見つめる。

「ラブラブ度 高めるんだろ?」

「そ、そうなんです…けど…、あ、あの…こ、ここまで…しなくても…」

「1年に1度のデートなんだから うんと密着して当然だよね?」

  胸にしっかり抱きしめて 耳元にささやく。

「…あ!あの…!や、やっぱり…いいです!…と、とりけし…」

「では!スタート!諸君らの健闘を祈る!」

  楽しそうな社長の声を背に 指定されたドアに向かう。

「がんばって とろうね♪ 特別賞!」 

「ごめんなさい!敦賀さん!取消します!取消しますから、おろして〜!」 

  俺の腕の中 往生際悪く 彼女が叫んでる。

  今夜はいい天気だ。
  さぞ 彦星も織姫との逢瀬を楽しんでることだろう。

  がんばろうな、お互いに!  
              

 コン様からいただいた素敵イラスト元に妄想しました♪
 コン様 ありがとうございますー!^-^


画:「星屑と花びら」采緋様画像

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
ひゃ〜////
私のイラストから、こんな素敵なお話しが出来るなんてv有難うございます(^O^)
是非…特別賞とって欲しい!笑。
私の方にもSS飾らせて頂いても宜しいですか??
コン
2008/07/07 17:53
もちろんですよ〜!どうぞ、お持ち帰りくださいませ!!(^_-)
ことりん
2008/07/07 19:32

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