珍魚落雁

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help リーダーに追加 RSS 続:クリスマスローズ(side:R)【絶えずの炎 bX9】

<<   作成日時 : 2008/06/26 22:18   >>

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「キョーコね?出ておいで。いい子だから。」

「いや!」

「キョー…」

「いやったら いや!」

 …ふぅ…。

 蚕じゃあるまいし

 毛布にくるまって
 一向に 出てこようとしない。

「…もしもし!?キョーコ…?どうしたの?」

 床に放り出された 携帯電話から 琴南さんのわめき声

 ため息つきつつ 拾い上げて耳に当てる。

「ちょっと!キョーコ!聞いてるの!?」

「ごめん、敦賀です。…琴南さん…。」

「…これはこれは ごきげんうるわしゅう 敦賀先輩!」

「…もう少し…声量下げてくれるかな…。」

 耳に キンキン響いて痛いんだが…。

「失礼いたしました。お久しぶり大先輩のお元気なお声が聞けて うれしくてつい…。」

 …ついでに…

 もう少し
 おだやかな言い方ができないのか…!?

 ばかていねいすぎなもの言いの背後に
 おどろおどろしい闇をかんじてしまう…。ひしひしと!

「キョーコが いま さなぎになっちゃってるんだけど…何 言ったの?」

 俺が ほんのちょっとうたたねしてるすきに!

「あら 私は一般常識的な挨拶しただけです。」

 はっ!

 ま、まさか!

『あけましておめでとう』って!」

 う”…!

「そしたら、なぜだか絶句しちゃって…しばらくあとに いきなり大絶叫…」

「わ、わかった。し、失礼したね、琴南さん…お詫びは 後ほど改めて…」

「つ る が だ い せ ん ぱ い」

「な、なに…かな?」

「まさかと思うんですが…というより 思いたいんですが…。」

 つつーっ

 背中に 一筋の汗が流れる。

「昨年の12月25日から、今日のこの元旦まで…ずぅぅぅぅっぅーーーーーーーーーーーーーーーーっと…」

「ちゃ、ちゃんと 1日3食食べさせたし お風呂にも入れてたし!睡眠だって(合計すれば)1日6時間は確保…」

「せんぱい〜!?」

「は、はい。」

「決めました!私、即!そこに乗り込んで キョーコ引っ張って帰ります!」

「なっ!」

「あなたみたいな化け物につきあわされたら キョーコ 遠からず 過労死です!!」

「こ、琴南さん!」

「じゃ、のちほど!」

 ぶちっと 電話が切れる。

 …の…
 乗り込むっ…!?
 
 日本から ここまでは
 社長の愛機 シャトル使ったら 2時間で来れてしまう…!

 まずい…!
 彼女は やるっていったら 絶対にやる!

 逃げよう!

 情けないが…!

 女性と やりあうなんてできるわけがない!男として!

「キョーコ…。ね?お願いだから 顔を出して。」

 毛布の繭にこもってしまった 彼女をそのまま抱きしめる。

「機嫌直して。いい子だから。」

 とりあえず
 父が所有してるほうの シャトーかシャルトルの別荘に…。

「…ない…。」

「…え?」

「覚えてない…。」

 ちょんと繭の端っこから 彼女が顔だけのぞかせる。

「ん?」

「わ、私…この7日間…い、いったい…何して…。」

「なんなら 再現してあげるけど?もう一度…。」
 
 といわず 何度でも!!

「いやぁぁぁぁ――っ!!!!!!」

  き ――― っ ん

「キョ、キョーコ!」

 さっきより深く潜ってしまった彼女を あわてて呼び戻す。

 ― ここここん ―

「おぼっちゃま!?京子さま!なにか…!」

 あわただしいノックの音と心配げな遠藤さんの声。

「あ、ごごめんなさい!遠藤さん!なんでもないんです!」

 キョーコが あわてて 毛布の中から 顔を出した。

 …隙を逃さず そのまま 抱き寄せる。

「れ、蓮…」

「大声出すと 遠藤さんが また すっごく 心配されるよ?」

「うぅう…。」

 真っ赤になったほほで 上目づかいに にらんでくる。

 その表情が またなんともいえず 愛らしい。

 一休みして
 すっかり 体力も回復したことだし…。

 琴南さんが 乗り込んでくるまで 早くても2時間。

 ここを脱出する前に あと1時間…もう一度くらいは…。

「あ、あの…おぼっちゃま。京子様。」

 あばれようとする体ぎゅっと抱きしめて
 口付けたまま ベッドに押し倒した俺の耳に 遠慮がちな声が響く。

「…遠藤さん、もう心配ないから。」

 邪魔は しないでほしいなっ!

「も、申しわけありません…で、ですが…お客様が…。」

「…客?」

 こっちの関係者には ここは教えてないはずだが…?

「日本から…琴南さまとおっしゃる…」

「え?!」

「モ、モー子さんが!?」

画像


「モー子さぁぁぁぁぁぁぁ―――― んっ!!!!!」

「キョーコ!よかった!無事で!生きてて!!」

 …どういう 意味だ!

「琴南さん!俺がついてて 危険なんか…」

 ぎろりっ
  
 う”っ!?

 「アンタが 一番 危険なのよ!!」と 眼が叫んでる!

「そ、それにしても。」

 なんとか 先輩の威信をとりつくろう。

「人が悪い…な。いつから フランスに来てたの?」

「25日の舞台がはねたあと、すぐ。宝田社長が、迷惑かけたわびだと。」

「あ――――――――!」

 突如 キョーコが叫んだ。

「ご、ごめんなさい!モー子さん!わ、私!せっかく、もらった楽日のチケット!」

「代わりに 宝田社長が来てくれて むしろ大いに面目施したから…心配しないで。」

「そ、そういってもらえると。でも、ご、ごめんね…。」

「初日に 見てもらえたんだから、いいのよ。」

「モー子さん…!」

 ひしっと抱き合う二人

 むかむか

 なんなんだ!?

 この
 親密で
 何人なりとも 立ち入らせません!…な ムードは!!


イラスト「琴南 奏江」(画:桜木薫『舞い桜』様)

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コメント(4件)

内 容 ニックネーム/日時
ぷぷぷっ!さすがモー子さんです。
蓮さまも敵いませんね。
これからの休暇はどうなる…!?
もみー
2008/06/26 23:57
やったーっ、モー子さん!
そうじゃなくちゃね〜
何だか、モー子さんの味方になってしまう、ともにょです。
だって・・過労の原因が・・
ねぇ、敦賀さん?(ギロリっ)
ともにょ
2008/06/27 07:06
睡眠時間1日(合計)6時間、風呂、食事以外の時間は…。過労死しますので、モー子さん、連れてって下され。
真園みけ
2008/06/27 11:28
もみー様
 モー子さんは、蓮さまの天敵です!(きっぱ)
 独り占めとは行かないのでしょうね♪>休暇

ともにょさま
 すぎたるは及ばざるがごとし…ですよね♪
 友情厚い親友もってキョコたんは ホント幸せものです!

みけさま
 (合計)というのが ミソですよね! ^-^;
 このペースだと 本当に「過労死」しかねません。
 モー子さんの介入は 天の助け!…です♪
 
ことりん
2008/07/12 08:43

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